タイトルの意味

写真を撮ったあと、皆さんはその写真を見返すことはありますか。

写真にタイトルをつける。

一見すると作品づくりのように思えるかもしれません。

でも、タイトルをつけることをお勧めする理由は、写真を格好良く見せるためではありません。

自分が、その一枚に何を感じ、何を伝えたいと思ったのかを言葉にするためです。

例えば、ある社員が真剣な表情で作業をしている写真があったとします。

その写真に、

「作業中」

というタイトルをつけることもできます。

でも、少し立ち止まって考えてみます。

「なぜ、この瞬間を撮ろうと思ったのだろう。」

すると、

「品質への責任」

「積み重ねた技術」

「見えない努力」

そんな言葉が浮かんでくるかもしれません。

同じ写真でも、タイトルが変わると、見える景色も変わります。

つまり、タイトルを考えることは、写真を説明する作業ではありません。

写真の中にある価値を、自分自身が見つける時間なのです。

私は、この時間がとても好きです。

なぜなら、「何を伝えたいのか」を考えることで、自分自身の視点も整理されるからです。

正解を探すことよりも、

「私は、なぜそう思ったのだろう。」

「この写真のどこに心が動いたのだろう。」

そんな問いを繰り返すことで、観察する力や考える力が育っていきます。

写真にタイトルをつけることは、文章を書く練習でも、コピーライティングの練習でもありません。

自分が見つけた価値を、言葉にする練習です。

研修でも「まずタイトルをつけてみましょう」とお伝えしたいと考えています。

写真は撮った瞬間に終わるものではありません。

その一枚に名前を与えたとき、初めて学びが始まるのかもしれません。

インクルル株式会社 代表
企業の写真活用支援や商品撮影・人物撮影に携わる中で、写真が組織や人に与える影響に着目。現在は、写真というツールを活用し、「見る力」「気づく力」「伝える力」を育むことで、組織づくりや人材育成を支援する研修の企画・実施を行っています。
「写真を撮る文化」が「見る文化」を育み、「見る文化」が「認める文化」へとつながる組織づくりをテーマに、現場での実践事例や考え方を発信しています。

幸野朱里|インクルル株式会社 代表

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